上野千鶴子の本「おひとりさまの最期」施設か在宅死に迷ったら読む
2007年に 有名になった おひとりさまの老後を書いた著者です。その続編と言ってもよいでしょう。老後のことがなんとなく心配で、漠然とした不安を感じている方は本書を読むことをお勧めします。
おひとりさまの最期 上野千鶴子 朝日新聞出版 おひとりさまの最期
以下、本書で役に立った点をまとめます。
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高齢の1人暮らしも悪いものじゃない?
1人暮らしも時間がたてばそのうち慣れると言っています。どんな生活習慣だって 慣れの産物 そのうち一人が気楽同居人がいるといわずらわしいと思うようになるでしょう。
正直これは、実際に高齢になって1人暮らしをしてみないと分かりません。20代~30代であれば、1人暮らしが楽しいという感覚は分かります。でも、年をとって、健康面に不安がある状態になっても果たして1人暮らしが気楽で楽しいと思えるでしょうか。これは体験してみないと分かりませんね。
在宅死の条件
上野さんは、1人暮らしであっても在宅死が出来るとお話されています。ただし、それには条件があります。その条件とは、本人の強い意志、介護をする同居家族の存在、地域の医療看護の利用、そして、ちょっとばかりのお金。
これらが、在宅死をするのに必要な条件です。本書では、病院ではなく家で最期を迎えた人の実例をいくつも取り上げています。在宅死について気になる方は、是非本書を読んでみてください。
逆に、人によっては家族に迷惑をかけずに、お金を払って介護施設で面倒を見てもらい、最期を迎えるというのも悪い考えではありません。
本書の中で、上野さんは同居はあんまりお勧めしないと言っています。介護する側は毎日常に苦労が絶えないので、近くでもいいから別居することをお勧めしています。別居の方が、お互いのストレスが少なく、人間関係を良好に保つことが出来るそうです。このことを、パートタイム家族の勧めという表現をしています。
介護施設に入るか在宅を継続するかを迷った時のもっとも良い考え方
上野さんが名案を提示しています。それは、それは、1日1日をだましだまし過ごせば良いということ。もっと分かりやすく言うと、介護施設やホスピスに入るか、それとも在宅を継続するか?の決断は、先延ばし先延ばしすれば良いという考えです。
身体が弱ってくると、自分を取り巻く 周りの意見に流されて、施設に半強制的に入居させられてしまうことがよくあるそうです。もし、自分が施設にはあんまり入りたくないという気持ちがあるのであれば、入居するか在宅するかの決断は先延ばしすれば良いのです。
そうこうしているうちに、死を迎えます。(笑)この考え方は、斬新です。ビジネスの世界では、決断の先延ばしは良くない。決断は早い方が良いと、一般的には言われます。
でも、上野さんはその逆の意見を言っています。死に方の選択については、焦って決断する必要はないと言っています。
年を取ってもみんな死ぬのが怖い
お年寄りになって、死ぬのは仕方がないと頭ではわかっていても、やはり実際自分がもうすぐに死ぬ という状況になると、本人はものすごく動揺し、怖いそうです。
どのくらい恐ろしい気持ちになるのかは、実際に自分がその状況にならないと分かりません。でも、本書を読んで、死を迎えるのは孤独で不安になるのは当然で仕方がないと割り切るしかないと思うようになります。
結局死ぬときは、周りに家族や友人が沢山いようと、家で1人ぼっちだろうと、全ての人の心の中は例外なくおひとり様なのでしょう。
まとめ
人間の死に方には、何が正しくて何が間違っているというものはありません。本書を読むことで、自分はどのような 最期を迎えたいかということをご自身で考えるきっかけとなります。
また、どんな死に方を選んでも、結局最期は1人ぼっちなのです。そのことを認識出来ました。
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