将来に不安や絶望を感じる若者(若年層・若い世代)の幸福度は?
少子高齢化、社会保障費の増大、年金支給開始年齢の延長、日本経済の成長低迷。経済的な観点で見た場合、日本はこの先、先行きが暗いです。
実際にどうなるかは分かりませんが、おそらく日本国民の多くは10年後、20年後、30年後は今よりも貧乏になっている可能性が高いと思い、不安に駆られていると思います。
特に若い人ほど、先行きに不安を感じているのではないでしょうか。今の若い人たちは、今の50代以上の人達の時代と比べると、給与が低いままで将来も上がる見込みがないし、年金も大幅に減るだろうと気が付いてしまっているからです。
「絶望の国の幸福な若者たち 古市憲寿(著)講談社」
絶望の国の幸福な若者たち
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今の若者は幸福度が低い?
ということは、今の若い人は、幸せを感じる度合い(幸福度)が低いのでしょうか?本書を読む前は、私はそう考えていました。
しかし、本書での著者の考えは違いました。
「今の若者は、それなりに幸せを感じて満足をしている。そして、将来の見通しが不透明で不安であるからこそ、今がとても幸せだと感じることができる」と言っています。将来と今を比較し、「将来よりも今の方がマシ」と感じると幸福度が高くなるというのは、新鮮な考え方です。
逆に、高度経済成長期やバブルの真っただ中で生きてきた当時の人達は、「今よりも将来はもっと生活が豊かになり、幸せになる」と信じてきました。このような考え方をすると、今現在は不幸と考えることになります。そのため、日本経済が右肩上がりの時代には、意外にも「幸福度が低かった」のです。
中国の出稼ぎ労働者の幸福度は?
この話は、中国の若者についても言えます。
地方から、北京や上海と言った都市部に出稼ぎにきてる、「農民工」と言われる人たちの幸福度はどうでしょうか?
農民工は、中国の一種の身分制度により、戸籍が農民戸籍です。農民戸籍の場合、将来金持ちになる見込みが薄いらしいです。仕事は、低賃金しか貰えない職業にしか就けません。
実は、そんま境遇にもかかわらず、農民工は結構幸せを感じているそうです。
中国の高学歴者の幸福度は?
その一方で、大学を出た高学歴の人は「蟻族」といいます。蟻族の人達の幸福度はどうでしょうか?
それらの人は、就職活動では激しい競争を強いられます。就職ができない人も沢山します。そして、運よく就職が出来ても、社内での激しい出世競争など、精神的に追い込まれた生活が続きます。
実は、中国ではエリートの人ほど「今の幸せを感じられる人の割合が少ない」らしいのです。
中国の例を挙げましたが、日本のビジネスパーソンも同じ状況です。
最低限の生活が出来る世の中では
日本も中国も、数十年前と比べれば、物質的に豊かになりました。ある程度の物質的な豊かさを享受し、生きていくのに最低限必要なのお金がある人達にとっては、「現状に満足」出来るのでしょう。
お金は沢山あるのに越したことはないけれど、そんなにガツガツと金を稼いで何の意味があるのか?
「そこそこの生活レベルが維持できればそれでよし」という若者が増えています。
今後の経済成長の見込みが少ない日本で生きていくには、このような今の若者の考え方を見習うのが良いでしょう。
絶望の国の幸福な若者たち
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