子どもが精神障害になる家庭や両親の共通点は?押川剛さんの本で学ぶ
2018/07/18
家庭内外で暴力を振るったり、暴言を言ったり、精神が異常になってしまった子どもの家庭は、どんなものなのか?
本書を読むと、その現実がリアルに分かります↓
「子供を殺してください」という親たち 2 (バンチコミックス) [ 鈴木 マサカズ ]
著者の押川さんは、精神障害者を更生し、社会復帰することが出来るお手伝いをするお仕事をされています。
本書は、子どもが精神障害になってしまった7つの家庭を取り上げています。7つの事例から、子どもが精神障害になる家庭には、ある共通点があることに気が付きました。
本書を読むのをお勧めする方
・今、子育て中の親御さん
自分の子どもを健全に育てるためのヒントになります。
・ご家族に精神障害になっている方がおり、対応にお困りの方
どの機関に相談し、どう対応していくのが良いのか、アドバイスが書かれております。本書の後半を読むと、何かしらのヒントになると思います。
是非本書をお勧め致します。
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子どもが精神障害になる家庭の共通点は?
7つの事例から、重要なポイントを引用します。
1つ目の家庭
父親は典型的な仕事人間で、子育ては母親にまかせきりだった。子どもたちと触れ合う時間も、ほとんど持たなかったという。
父親は、子どもに無関心だったようです。
2つ目の家庭
父親は、頑固おやじそのものといった人である。言葉は断定的で、自らの考えを絶対としているようなところが見受けられた。怒鳴ったり手を挙げたりすることも日常茶飯事だったという。父子の関係が良好だったことは一度もない。
父親は、子どもの気持ちをくみ取ろうとせず、自分の考えを押し付けていたようです。
3つ目の家庭
両親は息子に対しても、そのような場当たり的な、自分達の都合で振り回すような接し方をしてきたのではないだろうか。
両親は、自分の子ども達に対して、無責任な態度を取っていたようです。
息子が好き放題できるだけの費用がどこから出ているのか。どうやら父親は、某大手企業の取締役を務めているらしい。
子どもに好き勝手にお金を使わせていたようです。
4つ目の家庭
母親はいっそう羽振りが良くなり、誠一が求めるままに金を渡すようになった。働かずして湯水のごとく金を遣う、その誠一の姿は、母親の生き方をそのまま踏襲していないだろうか。
こちらの例も、子どもに我慢を教えず、好き勝手にお金を渡していたようです。
5つ目の家庭
「夫が死んでから、私が甘やかしてしまったから、いけないんでしょうね。あんなにわがままで、ここまま大人しく入院していられるかしら。でも自由に好きな物も買えないんじゃ、晴美がかわいそう。」 母親は言った。他人事にさえ聞こえるような、感情のない声色だった。
こちらの例も全く同じ。子どもに我慢を教えず、好き勝手にお金を渡していたようです。そりゃだめになるわね。
6つ目の家庭
二人の食事が終わるころ、父親が帰宅する。国家公務員である父親の生活は、どこまでいっても仕事中心である。休みの日は家族で食卓を囲むこともあるが、卓也と母親の会話にはほとんど口を挟まない。
子どもを叱ったり、真剣に向かい合って話をしたこともなかったそうです。
7つ目の家庭
父親は子ども達に厳しかったが、母親は清さんにはことさら甘く、欲しがるものは何でも与えた。
ほんと、同じような家庭ばっかりです。甘やかし過ぎはダメなんですね。
両親は仕事の忙しさにかまけて、子ども達のことは放任していた。
一方の父親は、子どもに無関心ですか。そりゃダメだわ。
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共通点を整理すると
・父親が子どもとコミュニケーションを取ってこなかった。
本書で取り上げられていた家庭は、父親が大企業の重役であったり、国家公務員であったり、企業家であったりと、経済的には恵まれていた家庭が多かったです。お金を沢山稼ぐ父親は、労働時間が長く、仕事中心の毎日になるのも無理はありません。その反面、家庭のことがおろそかになってしまったのかもしれません。
このポイントは、男性にとってすごく教訓になります。
家庭を守るために、仕事をしてお金を稼ぐのはもちろん大事だし、父親の一番の役割です。でも、いくら忙しくても、子どもと会話をする時間だけは取った方がいい。
別の言い方をすると、子どもへの愛情が必要です。
・母親は息子(娘)に甘い。子どもに好きなだけお金を渡し、好き勝手にさせている。
たまたまかもしれないですが、本書に出ていた精神障害の人達は、長男や長女ばかりです。一方で、弟や妹達はごくごく普通に自立しているように見受けられました。
どこの家庭でもそうだと思いますが、やっぱり両親にとって、第一子は特別にかわいいものです。かわいくて、愛情を持って育てることは大事ですが、単に「甘やかして」しまうのは厳禁ですね。
・両親は、不都合なことは何かと人のせいにする傾向がある。(無責任である)
本書で取り上げられている精神障害になった子ども達は、自分の不遇を家族・他人のせいにする傾向があります。親が他責をする性格だと、子どもも同じような人間になってしまうのでしょう。
P.S.
本記事で取り上げた事例にピンときた方は、是非お読みになることをおすすめします。
「読んで良かったな」と思うことがあっても、読んで後悔することはないはずです↓
「子供を殺してください」という親たち 2 (バンチコミックス) [ 鈴木 マサカズ ]
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