中国北京のPM2.5赤色警報の原因と対策を現地中国人に聞いてみた
2016/06/25
着陸の瞬間に備え、窓の外をずっと見ていた。外は真っ白、雲に埋もれていたのでまだ着陸まで時間が掛かると思っていた矢先、「ドーーン!」と衝撃が走った。
北京首都国際空港に着陸した瞬間です。着陸しても、飛行機からは全くと言っていいほど、遠くの景色は見えませんでした。
私は、4段階の警報の中で最も深刻な「赤色警報」の期間(2015年12月)に自ら身体を張って(笑)、中国北京に行ってきました。
今回は、
・北京に住む、私の知人の中国人7名程に、「この大気汚染の原因は何なのか?対策はどうしている?」を聞いてきましたので、内容をシェアしたいと思います。
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「PM2.5の根本原因は何だと思うか?」と聞いた結果
色々な説があると思いますが、本当のところはどうでしょうか。北京に住む中国人に聞いてみました。まとめると、
「工場から出る排煙が一番の原因。工場は土日も関係なく稼働するから、絶え間なくずっと空気が悪い」
「冬場に使う家庭の暖房の影響だ。中国は人口が多いから家庭暖房の影響は大きい」
「何が根本の原因かは、誰にも分らない。大気汚染が深刻な中国が恥ずかしい。」
といった意見を聞きました。
一方で、日本の新聞の記事を見てみると、
■石炭依存の経済構造
石油、天然ガスは国産で賄いきれず、輸入依存度が高まっているため、できるだけ国産燃料で値段も安い石炭を使いたいからだ。石炭は火力発電の燃料や製鉄所の高炉などで使うコークスの原料になる。さらに内陸では工場や住宅の燃料としても使われる。石炭を燃やすと二酸化炭素に加え、硫黄酸化物、窒素酸化物など様々な汚染物質が排出され、煤塵(ばいじん)も大量に出る。日本の石炭火力発電所はそうした汚染物質をほぼすべて除去したクリーンな排気しか出さないが、中国の石炭火力は汚染物質を大量に出している。脱硫装置は90%以上の石炭火力に装備済みで、集塵機もかなり装備されるようになってきているが、故障で使わなくなったり、運転にコストがかかると止めてしまうケースが多い。 出典:日本経済新聞
と書いてあります。
以上から、原因を一言でいうと、(石炭を使っている)工場や家庭の暖房。現地の中国人と日本の新聞の見解は、大方同じであることが分かりました。
中国(北京)でのPM2.5への個人対策は?
・赤色警報が出ている日、北京市内を歩いていると、マスクをしている中国人が沢山いました。イメージでいうと、「冬の日本の首都圏の電車内でマスクをしている人の割合」くらいは、北京の人達もマスクをしていました。
私も日本から持参した、ごく一般的な「ウイルス、PM2.5対策用のマスク」(5枚で400円程度のもの)をしていました。しかし、中国人の知人から、
「そのマスクは隙間から空気が入るから殆ど意味がないよ。するならこういうマスクが必要だよ」と言われました。
その知人がしているマスクは、鼻と口が完全の隙間を完全に塞ぐことが出来る機能がついているものでした。普段日本で、している人を殆ど見たことのないマスクです。防毒マスクまでとは言えませんが、大きさのごっついマスクです。
そのマスクは、日本製(メーカは、3M)。中国でも、日本製の性能の良いマスクが手に入るようです。
・北京市内の街中では、同じようなごっついマスクをしている人が、ちらほらいました。(特に若い女性)
また、煙霧対策の鼻マスクをしている若い女性が多かった印象です。鼻マスクは、鼻の前に煙対策用のフィルタがついたマスクです。そのため、見た目は恰好が悪いです。でも、見た目より、自分の健康が大切という気持ちで、中国の女性達も鼻マスクをしているのかもしれません。
・先の中国人知人に聞いた対策方法は、「対策をするなら、マスクをするくらいしかないんじゃないかな」という話でした。ちなみに、知人達7名(20~30代の男性)の中で、マスクをして外出していたのはたった1人だけでした。
結論: やはり、マスクをするしかない。
まとめ
同じく2015年12月に、韓国に行った知人(日本人)から聞いた話では、「韓国ソウルでもPM2.5の影響が少なからずあり、大気汚染が深刻な日があった」と聞きました。やはり日本(特に九州?)も、中国大陸から来る大気汚染の影響はあると言えそうです。
個人が出来る対策は今のところ、「強力なマスクをする」くらいしかないと思います。でも、実際に北京の赤色警報を経験すると、「今の日本では大気汚染なんて、全く心配しなくていいんじゃない?」という気持ちになります。少なくとも日本で住んでいる限りは、PM2.5を心配しなくて良いのではないでしょうか。
最後に、知人が送ってくれた、2016年正月の北京市内の写真を掲載します。
冬の北京でも、空がこんなにクリアな日があると知り、少しホッとしました。
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